ビットコインが過去24時間で約8%上昇し、73,000ドル台を回復する中、アナリストのオーウェン・ラウ氏は「この上昇は持続性がある」と指摘している。
暗号資産の価格は数カ月間の下落局面を経て、転換点に近づいている可能性がある。最近の複数の動きが、新たな強気相場の始まりを示しているかもしれない。
Clear Streetのアナリスト、オーウェン・ラウ氏は水曜日のレポートで、10月10日から2月28日にかけて暗号資産市場が約44%下落した期間が、直近の下落局面の終わりを示している可能性を示唆した。もしこの期間が「暗号資産冬の時代(クリプト・ウィンター)」だったとしても、その事実を受け入れるべきだと述べている。
ラウ氏はビットコインの価格目標を示していないが、ここ数週間で市場のセンチメントとファンダメンタルズが改善したとし、ワシントンにおける規制の動き、暗号資産企業と伝統的金融の統合の深化、さらに機関投資家の採用が継続している点を挙げた。
「業界は現在、インフレクションポイント(転換点)に差し掛かっている可能性があり、我々は今回の上昇に持続性があると考えている」と同氏は記している。
この見解は、市場が反発し始めた局面で示された。ビットコイン(BTC)は中東情勢の緊迫化を背景に過去1週間で約11%、直近24時間で8%の上昇を記録した。この上昇により、主要暗号資産は多くのトレーダーが重要なレジスタンスラインとみなす75,000ドル付近に迫っている。
また、ラウ氏は米大統領ドナルド・トランプ氏が火曜日に、現在停滞しているCLARITY法案に介入したことで、同法案が夏の終わりまでに議会を通過する可能性が高まったと指摘する。JPMorganもこれをデジタル資産市場の上昇をけん引する触媒の一つと評価している。
さらに、インフラ統合の面でも進展が見られる。Krakenの銀行子会社が連邦準備制度理事会(FRB)のマスターアカウントを取得し、中央銀行の決済システムへ直接アクセスできるようになった。ラウ氏はこの動きを、暗号資産ネイティブの機関が米金融システムへ統合されるための重要な構造的ステップと位置づけている。
加えて、機関投資家の参加拡大も今回のラリーを支える要因の一つと述べた。モルガン・スタンレーは現物ビットコインETFの申請書を最近更新し、共同カストディアンとしてバンク・オブ・ニューヨーク・メロンと共にCoinbase Custodyを明記した。これによりCoinbase(COIN)が機関投資家向け暗号資産エコシステムで果たす役割が改めて強調された。
ラウ氏は、Coinbase(COIN)、Circle(CRCL)、Bullish(BLSH)など主要暗号資産企業を担当しており、現在、CoinbaseとBullishに「買い」、Circleに「中立(ホールド)」の投資判断を示している。
ブルトラップの警戒感も根強い
ただし、今回の上昇が持続的な回復の始まりであると断言できない見方も存在する。
一部のトレーダーは、直近の上昇が典型的なブルトラップ(bull trap)になる可能性を指摘している。短期的な上抜けで買いを誘発した後、反転して下落するパターンである。
アナリストのなかには、上値での厚い売り圧力やデリバティブ市場のポジショニングをリスク要因に挙げ、72,000ドルから76,000ドルのレンジへの上昇は上昇トレンドの確認というよりも売りを誘発しやすい局面だと示唆する声もある。
それでもラウ氏は、最近の複数の進展が業界全体としてより広範な構造転換を示している可能性があるとし、繰り返し「業界はインフレクションポイントに到達しつつあり、今回の上昇は持続するだろう」と述べている。
