Polygon、Coinme買収でVisaやStripeが支配する決済分野への本格参入を目指す

Polygon Labsは、米国の規制対象暗号資産決済事業者Coinmeの買収を完了し、決済処理分野への進出を加速させている。CEOのMarc Boiron氏は、Coinmeの買収により顧客との関係を直接掌握し、これまで決済仲介業者に流れていた収益を自社に取り込むことが可能になると述べた。

同社は、ブロックチェーン基盤を超えてVisaやStripeが支配する決済処理業界に参入する中で、2027年には規制対象の決済事業が黒字化するとの見通しを示している。今回の取引は、1月に発表したOpen Money Stackの導入を含む事業転換の一環であり、同フレームワークはステーブルコインを基盤とした決済支援やクロスボーダー送金の効率化を目的としている。

Boiron氏はビデオインタビューで、これまで技術提供に留まっていた資金移動に関する手数料も回収できることになり、他社に流れていた収益を取り込めると説明。「率直に言えば、私たちはブロックチェーン同士で競争しているとは考えておらず、あくまで決済に特化した会社である」と強調した。

ただし、Visaの2025会計年度の決済取扱高が12兆3,000億ドル超、Stripeは1兆9,000億ドルに達するなど、Polygonは決済業界の主要企業と比べてまだ歩み始めた段階にある。

Coinmeの買収は、長年課題とされてきたブロックチェーンネットワークの顧客コントロール不足の解消にもつながる。Boiron氏は、これまで第三者に顧客を引き渡す形だった資金の出入りや決済プロセスを、自社でより多く担うことで、顧客関係を直接構築できると述べた。競合ブロックチェーンに顧客を奪われるインセンティブも排除できる見込みだという。

Polygon Labsは決済サービスからも収益を得ており、Polygon blockchain上の取引手数料は別建てでバリデーターやステーカーに分配されている。Boiron氏は取引手数料が既にトークン発行を相殺し、さらに数百万ドル規模の追加手数料が支払われていると指摘する。決済事業では送金額に基づく手数料収入も見込んでいる。

一方、従来型決済企業もステーブルコイン決済の拡充やブロックチェーンインフラの開発を進めており、Polygonはそうした企業との競争にも直面する可能性が高い。Stripeはステーブルコイン決済を拡大し、Swiftは大手銀行と協力してブロックチェーン基盤の開発を進める。VisaもPolygonを含む複数のネットワークを自社の決済ネットワークに加え、銀行やフィンテック企業がステーブルコインを発行・管理・決済可能なプラットフォームを立ち上げている。

Polygonの課題は単に自社ブロックチェーンの利用を促すだけでなく、Polygon Labsを通じて資金移動を選んでもらうことだ。初期利用者にはクロスボーダー決済のTazapay、暗号資産決済ネットワークMesh、グローバル給与計算プラットフォームToku、決済インフラ企業Kiraが名を連ねている。現在、プラットフォームの統合機能は技術プレビュー段階にあり、まだ一般顧客には提供されていない。

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