日本円が40年ぶりの安値水準に達しドルが全面高となる中、アジア市場ではビットコイン(BTC)が軟調に推移した。
BTCは、米ドルに対して日本円が40年ぶりの安値を記録した通貨市場の変動の影響を受け、火曜日に1%超の下落を見せた。
時価総額トップの暗号資産であるBTCは6万ドルを割り込み、重要な200週移動平均線を下回って推移している。
前日、世界最大の上場BTC保有企業であるStrategyは、優先株およびクラスA普通株を最大各10億ドルまで自社株買い戻しする計画を承認したほか、12億5000万ドル規模の「モネタイズプログラム」を開始し、ビットコイン売却による資本調達を進めると発表した。これにより、既に弱含みの市場において10億ドル超のBTC売却が行われる可能性が浮上し、創業者のMichael Saylorが長年掲げてきた「ビットコインは決して売らない」という信念からの大きな方針転換となった。
しかしながら、この方針転換は長期的な安心材料とはならないとの見方もある。Strategyの優先株STRCは高利回り商品として近週間で急落しており、BTC購入の主な資金調達ルートの弱体化が懸念されているためだ。
ArcaのCIO、Jeff DormanはX(旧Twitter)で「問題は1〜2年先送りされただけだ」と述べた。
また、「資本構造に関する取引は今後も活発化するだろう。なぜなら、資本構造全体を満足させる解決策はBTCの価格上昇以外に存在しないからだ。加えてSaylorは、今回の債務返済(15億ドルの債務返済を行いながら、400億ドルの企業価値を毀損した)という誤りを今後も繰り返す可能性が高い」とも指摘している。
円安続く
日本円は1ドル=162.40円の水準まで下落し、1986年10月(当時の米大統領は共和党のロナルド・レーガン)以来の低水準を記録した。
円安によってドルは主要通貨に対し軒並み上昇し、主要6通貨に対するドルの強さを示すドル指数は月曜日の約101から101.32に反発した。
円の脆弱さは新たな現象ではないものの、近年一層顕著になっている。円は長く「キャリートレード」の資金調達通貨として利用されてきた。すなわち、円で安価に資金を借り入れて、より高利回りのリスク資産に世界各地で投資する手法であり、2021年以降ドルに対して約57%も下落している。
この背景には日米の金融政策の落差がある。米連邦準備制度理事会(FRB)は一時5%超まで利上げを進めた一方、日本の政策金利はほぼゼロ水準に据え置かれた。日本銀行(BOJ)はようやく政策金利を約1%まで引き上げたが、米国の約3.5%と比較すると依然として低水準にとどまっている。
市場関係者は円安を日本の財政課題が通貨市場に反映された兆候と捉えている。公的債務残高がGDP比220%を超える中、日本銀行の急激な利上げは財政破綻リスクを高めかねない。しかし現状は具体的な対応策がなく、円はさらに弱含んでいるのが実態だ。
現状、日本当局は言葉によるけん制(ジャウボニング)で円安の進行を抑えようとしており、BOJのタカ派的姿勢も表面的なものにとどまっている。中には、BOJの強力な介入が円建てキャリートレードの大規模解消を招き、結果として株式、債券、暗号資産市場に大きな下押し圧力をもたらす可能性を指摘する声もある。
