暗号資産大手のBinanceは、7月1日までにEU内での事業拠点を確立しなければ、規制当局から地域ユーザー向け事業停止を命じられる可能性がある中、ギリシャにおける暗号資産市場規制(MiCA)のライセンス申請を撤回し、別のEU加盟国での認可取得を目指すと水曜日に複数のX投稿で発表した。
BinanceはCoinDeskのコメント要請には即時に応じなかったが、欧州および英国担当責任者のGillian Lynch氏はロイターに対し、「Binanceは欧州から撤退しない」と述べた。これは、同社がEU内で暗号サービス提供のためにギリシャでライセンス取得を試みていたものの申請が不調に終わったことを踏まえた発言である。
先週、Binanceはギリシャ当局による申請拒否の報道に反して、欧州のMiCA申請は適合していると表明していた。Binanceの広報担当者は6月16日付でCoinDeskに対し、「HCMC(ギリシャ資本市場委員会)は申請の審査を完了し、MiCA要件を満たしていると判断した。申請はESMA(欧州証券市場監督局)レベルでも審査されている」と説明していた。
今回の決定は申請期限である6月30日の直前に下された。MiCA規則では、暗号資産企業は7月1日までに少なくとも1つのEU加盟国からライセンスを取得しなければ、27カ国での顧客へのサービス提供が禁止され、ライセンス未取得の場合はEU内での事業を段階的に終了する必要がある。
Binanceは声明で「ギリシャでの申請プロセスの現状とタイムラインを慎重に考慮し、この決断を行った。欧州はBinanceにとって依然として重要な市場であり、今後数か月内にライセンスを確保できると確信している」と述べた。
申請撤回は、ギリシャ規制当局が申請を拒否する意向を示していたとの報道を受けたものだ。ロイターは、ギリシャ、アイルランド、ラトビアの規制当局が共同で申請を監視し、Binanceの過去の法的問題や企業構造について懸念を抱いていたと伝えている。
Binanceはユーザー資金の安全性については保証しており、期限前に影響対象となる欧州ユーザーには直接、アカウントの変更に関する連絡を行うとしている。ただし、次にライセンス申請を行うEU加盟国については現時点で明言していない。
