ビットコイン開発者、手数料上乗せ取引の差し替えシグナル廃止を検討へ

ビットコインの開発者は、ユーザーの利便性を向上させるために長年使われてきた取引の差し替えを示す「Replace-By-Fee(RBF)」シグナルをウォレットソフトから削除する検討を進めている。これは、フルRBFが現在ネットワークの標準ポリシーとなり、旧来のオプトイン方式のシグナルが不要になったためだ。

これまで、ビットコインの取引速度を速めるために、ユーザーは後から手数料を上乗せして取引を差し替える可能性があることを明示する機能を使ってきた。しかし、今ではこの機能が冗長となり、さらにプライバシーに関する小規模な問題も指摘されていることから、一部の開発者はシグナルの廃止へ向けた議論を行っている。

まずはReplace-By-Fee(RBF)シグナルの仕組みについて説明し、続いて開発者による提案の内容を紹介する。

Replace-By-Fee(RBF)シグナルとは
これは、郵便での支払いの遅延が懸念される場合に「遅れた際はより高い手数料を添えて新しい支払いを発行する」と示すチェックボックスのような仕組みだ。ビットコインの世界では、この仕組みが取引の優先処理を促すための差し替え可能性を示す機能として使われてきた。

長らくユーザーのウォレットには、取引後に手数料を増額して差し替え可能である旨をネットワークに知らせるスイッチが搭載されていた。しかし近年、この任意のシグナルは不要になり、現在のネットワークポリシーでは、ユーザーの意志に関係なく全ての取引がデフォルトで差し替え可能とみなされている。

その結果、ウォレットにおける明示的なシグナルは冗長な存在となり、関係するウォレットの取引があたかも指紋のように追跡されるリスクを残すだけのものになっている。そのため、開発者の間ではこのシグナル機能をウォレットから削除するコード変更の提案がなされている。

開発者のrkruxは開発者メーリングリストにおいて、「フルRBFが標準ポリシー化して以来、このシグナルは冗長となったため、bitcoin coreウォレットでBIP 125のRBFシグナル削除を検討している」と述べている。

カモフラージュの課題
シグナル削除の実装には慎重な設計が求められる。異なるウォレットが差し替え機能の削除方法をばらばらに行うと、オンチェーン上の取引の見た目が異なり、逆に取引追跡が容易になる恐れがあるためだ。

一見、単にボタンを消すだけの問題に思えるが、ビットコインではこのシグナルは必須フィールドで何らかの値の設定が求められる。コミュニティ参加者のMurchは、「差し替え可能性を示すシグナルの停止は指紋を消すだけと考えがちだが、実際には送信者が各入力についてシーケンス番号を必ず選ばなければならない」と説明している。

つまり、ウォレットは空白で放置できず、必ず数値を設定しなければならない。Murchは現在約75%の取引が主にMAX-2という特定のコードを使っていることから、目立たないようにそれに合わせるのが最善の隠蔽策だと指摘している。

またrkruxは、「デフォルトの入力シーケンス番号は、ウォレットコミュニティ全体で合意されたベストプラクティスを用いるべきだ」と述べている。

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