米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長がイラン戦争に伴うエネルギー価格上昇を新たなインフレリスクとして指摘したことを受け、水曜日のビットコイン価格は71,000ドルを下回った。また、株式市場も安値で取引を終えた。
パウエル議長はエネルギー価格の急騰が中央銀行のインフレ見通しに影響を与えていることを認めつつも、その影響の長期化については「誰にも分からない」と慎重な姿勢を示した。これによりFRBは2026年のインフレ見通しを従来の2.4%から2.7%に引き上げ、物価圧力が想定より長期化する懸念が強まっている。
一方でパウエル議長は1970年代のスタグフレーションとの比較を否定し、今は景気減速と粘着的なインフレの間で緊張関係にあるものの、失業率は長期平均に近く、インフレも目標をわずかに上回る程度であると述べた。「スタグフレーション」という言葉は深刻な状況になって初めて用いるとの見解も示し、「現在は複数の目標間に緊張があるが、慎重に舵取りしている」と語った。
市場は2月の弱いインフレ指標やイラン戦争の終息の見通しが立たない状況を背景にFRB発表前から圧力を受けていたが、発表後にさらに下落が加速した。ビットコインは午後遅くに70,900ドルまで下落し、24時間で約5%安となった。イーサリアム(ETH)も6.5%下落した。
S&P500とナスダックはともに当日の安値圏で取引を終え、それぞれ1.4%、1.5%下落。金価格も下落幅を広げ、1オンス4,850ドルを下回り3.1%安で1カ月超ぶりの安値を記録した。
デジタル資産関連株も暗号資産価格の下落に連動して大幅に値を下げた。最大のビットコイン保有企業であるStrategy(MSTR)や主要イーサ関連企業のBitmine(BMNR)は5%〜6%の下落。投資会社Galaxy(GLXY)は約7%安となり、暗号資産取引所Gemini(GEMI)は15%急落して、昨年の上場以降でほぼ最安値水準に達した。
