分散型金融(DeFi)のリスク管理を専門とするGauntletは、同社の運用するボールト全体の総預かり資産(TVL)が直近7日間で22.84%減少し、13.25億ドルとなったと発表した。
DeFiLlamaのデータによれば、これは約1週間前の17.2億ドルのピークから約3億8,000万ドルが市場から流出したことを意味する。特に木曜日に7.57%の急落が起き、資産減少は加速した。
Gauntletは、この急激なTVLの減少は、DeFi特化型ブロックチェーンKatana上で実施されていたOKXのプレデポジット・キャンペーンが終了したことが大きな要因であると説明した。プレデポジット・キャンペーンとはプロトコルのローンチ前にユーザーへ資金預託を促すためのインセンティブプログラムであり、キャンペーン終了やトークンのエアドロップ時には急増したTVLが短期間で巻き戻される傾向がある。実際、GauntletのTVLは3月2日前後に急増した後に急速に反落した。
またGauntletは、資産流出の大半がステーブルコインベースのものである点を指摘している。
GauntletはDeFi向けリスク管理のコンサルティング企業であり、例えばETHが一晩で30%下落した場合に借り手の担保の何パーセントが清算リスクに晒されるかといったリスク分析の提供を行っている。同社自体が資金を保有しているわけではなく、レンディング市場やボールトの運営に関わるパラメータ設定を担っている。
そのため、GauntletのTVLは同社が保護責任を負うシステム内に預け入れられた資本規模を示しており、この数字の大きな変動は市場のストレスや今回のようなインセンティブプログラム終了による資金の機械的な移動を反映している。
2022年に企業評価額10億ドルを達成したGauntletは現在、USDC、BTC、WETHの3つのボールトを運用している。これはユーザーが利回りと交換に資本を預けるプール型の仕組みであり、USDCボールトが最も流動性が高く年利回り(APY)4.86%を提供している。その他ボールトでは2%~2.3%の利回りが得られる。今回の資本流出は、より高利回りを提供する他のDeFiプロトコルへのトレーダー資金の移動も影響している可能性がある。例えば、SOL系プロトコルのJitoは現在5.69%の利回りを提示している。
Gauntletはこれまでも大幅な資本変動を経験している。2025年10月には同社USDTボールトが単一取引による7億7,500万ドルの大規模預入でTVLが40倍に急増したが、迅速な資金再配分および担保市場の開設により10日以内に元の水準に戻した。今回の流出も同社は同様の状況として説明しており、インセンティブキャンペーンの終了やトークンジェネレーションイベント、市場環境の変化が短期間で大きな資本変動を引き起こすことは珍しくないと述べた。
GauntletはCoinDeskへの声明で、「機関投資家向けリスク管理者は、このような資本変動を管理しつつ運営にあたっている」と述べ、「ボールトに供給された資本の維持と利回りの確保、市場環境に応じた柔軟な調整に努めている」とコメントした。
なお、本記事の取材にはOliver Knightも参加している。
