運用資産1,250億ドル超を誇る不動産大手スターウッド・キャピタル・グループのバリー・スターンリヒト氏は、実物資産(RWA)のトークン化に向けた準備は整っているものの、米国の規制が障壁となり前進できない現状を明かした。
スターンリヒト氏は水曜日、フロリダ州パームビーチで開催されたWorld Liberty Forumにて「私たちは今すぐにでも取り組みを始めたいし、その準備ができている」と述べた。さらに「顧客がトークンでの取引を認められないのは非合理的だ」と語り、不動産など実物資産の取引にブロックチェーンを活用する意義を強調した。
トークン化とは、不動産やアートなどの物理的資産の所有権をブロックチェーン上のトークンに変換し、取引を可能にする仕組みを指す。スターウッドのような企業にとっては、資金調達の新たな選択肢であると同時に、これまで流動性の低かった市場への投資アクセスを拡大する方法となる。
こうした不動産のブロックチェーン活用は新しいものではなく、大部分が手作業に依存する市場の効率化を目指し、小規模ながら実践している企業も存在する。例としてプロパティーテクノロジー企業のPropyは昨年、米国内の中堅タイトル企業を買収し、業界のプロセス合理化を図る1億ドル規模の拡大計画を打ち出している。
また、コンサルティング大手のデロイトは昨年発表した報告書で、トークン化された不動産が2024年の0.3兆ドル未満から2035年には4兆ドルにまで拡大すると予測。これに伴い、トークン化不動産の年平均成長率(CAGR)は27%に達する見込みだ。
デロイトは「トークン化不動産は新たな市場や商品への扉を開くだけでなく、不動産関連組織にとっては業務非効率の解消や高い管理コストの軽減、小口投資家の参加制限の克服に向けた機会にもなり得る」と指摘する。
スターンリヒト氏もトークン化が不動産業界の変革を促す技術だと評価し、その基盤技術のポテンシャルを称賛した。彼は「この技術は素晴らしい。これこそが未来だ」と語っている。
さらに彼はトークン化の現状を人工知能(AI)になぞらえ、AIが現在に至るまでに歩んだ道と比べてまだ初期段階にあると説明。「物理的な世界においては、AI以上に初期段階だ」と指摘。加えて「これほどエキサイティングな技術はない。世界にとって素晴らしいものであり、あとは世界がそれに追いつくだけだ」と述べた。
