暗号資産インフラ企業への投資関心がウォール街で再燃する中、Mastercard(MA)は18億ドルでのBVNK買収を踏まえ、Zerohashへの投資計画を撤回したことが関係者の証言で明らかになった。
今年1月、Mastercardはシカゴ拠点のZerohashに戦略的投資を検討していると報じられ、同社は15億ドルの評価額で2億5000万ドルの資金調達に向けて交渉中とされていた。
しかし、関係者2名が匿名で述べたところによると、Zerohashはより高い評価額で新たな資金調達ラウンドを進めているという。
Fortune誌は昨年10月、Mastercardが最大20億ドル規模のZerohash買収交渉を進めていると報じていたが、Zerohashが撤退。Mastercardは3月に英国のステーブルコインインフラ企業BVNKの買収契約に合意した。
Mastercardは取材に対しコメントを控えており、Zerohashの広報担当者も資金調達に関して回答を控えた。
Zerohashは2017年に創業し、金融機関やフィンテック企業向けに暗号資産、ステーブルコイン、トークン化製品の提供を可能にするAPIや埋め込み可能な開発者ツールを提供している。
同社プラットフォームは世界190か国で500万人以上のユーザーに利用され、Morgan Stanley、Interactive Brokers、Stripe、BlackRockのBUIDLファンド、Franklin Templeton、DraftKingsなどが顧客に名を連ねている。
M&Aの活発化
今年も取引所やインフラ事業者、フィンテック企業による買収がデジタル資産領域の強化を促進しており、暗号資産関連のM&Aは活況を呈している。
Krakenの親会社PaywardはデリバティブプラットフォームBitnomialを買収し、CoinDeskのオーナーBullishは4億2000万ドル規模でEquinitiを買収すると発表。これにより振替代理サービスとトークン化インフラの統合を狙っている。
アナリストは、機関投資家の需要拡大を背景にカストディ、決済、トークン化、ステーブルコイン機能に関わる企業間の統合が一層進むと見ている。
Zerohashは2025年9月に実施した1億400万ドルのシリーズD-2ラウンドで10億ドルの評価額を獲得し、このラウンドはInteractive Brokersが主導。新規投資家にはMorgan Stanley、Apollo運用ファンド、SoFi、Jump Crypto、Northwestern Mutual Future Ventures、FTMO、IMC、Liberty City Venturesが参加し、既存投資家のPEAK6、tastytrade、Nyca Partnersも継続して投資したと発表されている。
