MicrosoftとChainalysisの幹部は、AIエージェントが大規模な取引管理を担い始める中で、金融業界が機械のIDと信頼性を重視し、レガシーインフラを根本的に見直す必要があると警鐘を鳴らした。
両社の幹部によれば、人工知能は金融システムを機械主体の大規模取引実行モデルへと押し進め、その結果、管理・監督・インフラ面で新たな課題が浮上している。
Microsoftのワールドワイド金融サービス担当コーポレート・バイスプレジデント、Bill Borden氏は火曜日、取引需要の複雑化に伴いレガシーシステムにかかる圧力が増大していると述べた。ニューヨーク市でAlchemy主催イベントに登壇した同氏は、「レイテンシー、規模、複雑性が競争力に影響し始める転換点に差し掛かっている。企業は自社システムの構築方法を再検討せざるを得なくなる」と指摘した。
Borden氏は、金融における自動化は以前から存在するものの、現在は「能力」から「信頼」への移行期にあると強調する。「技術がヘッジ戦略の自動執行を可能にするのは当然のことだが、問題は結果を信頼できるかどうか、そしてそれを監査・管理できるか否かだ」と語った。
Microsoftは独自のAIアシスタントを多数の製品に搭載しており、この変化を管理するためのツールを開発している。具体的には、AIエージェントにIDと権限を割り当て、その動作を追跡するシステムを備える。Borden氏は、規制環境下で人間の直接的な入力なしに意思決定が行われた場合、企業は「何が制御したのか」「システムが方針に沿ったか」を証明できなければならないと述べた。
Chainalysisの共同創業者兼CEO、Jonathan Levin氏は、暗号資産セクターがすでに自動化された金融の実用モデルを提示していると述べた。ブロックチェーンネットワークはスマートコントラクトやソフトウェア駆動ウォレットを通して大量取引を処理しており、同氏はこれをエージェントベースのシステムに類似した環境だと説明。「私たちは、金融サービス業界の他分野よりもずっと前からこういった事態に備えてきた」と語った。
同氏はリスク管理の面でも経験を持っている。人間の直接入力なしに大規模取引が行われるシステムの監視には、「何千もの異なるウォレットにまたがる不正資金の追跡」などが一例として挙げられる。
今後について両氏は複数のシステムが共存すると見ている。Levin氏は「10年後には商取引の大半がパブリックインフラ上で決済される」と述べる一方、Borden氏はパブリックブロックチェーン、プライベートネットワーク、既存の決済レールをつなぐ統合的なアプローチを示した。
Borden氏は「伝統的な決済レールは依然として存続すると考えている」と述べ、それらを接続するレイヤーとしてソフトウェアが機能すると述べた。
